こんにちは。認定子宝カウンセラー漢方薬剤師の菅沼真一郎です。
今回は、近年「国民病」と言われている「慢性腎臓病」についてお話しします。
慢性腎臓病(CKD)とは、腎臓の機能が低下している状態で、放置すると透析や移植が必要になることもあります。
また、心筋梗塞や脳卒中などの合併症のリスクも高まります。
慢性腎臓病は自覚症状がないことが多いので、早期発見が重要です。
この記事では、慢性腎臓病の原因や症状、診断方法、予防や改善のための生活習慣や漢方の紹介をします。
慢性腎臓病に関心のある方や、腎臓の健康を保ちたい方はぜひ参考にしてください。
◇慢性腎臓病(CKD)とは
慢性腎臓病(CKD)とは、腎臓の機能が低下している状態を言います。
腎臓は、血液中の老廃物や水分を尿として排出する働きがあります。
腎臓の機能が低下すると、老廃物や水分が体内に溜まり、さまざまな症状や合併症を引き起こします。
慢性腎臓病は、進行すると人工透析や腎移植が必要な末期腎不全になることもあります。
慢性腎臓病の定義は、以下のいずれか、または両方が3か月以上持続する場合です。
尿異常(特に尿蛋白)、画像診断、血液、病理で腎障害が認められる糸球体ろ過量(GFR)が、60ml/min/1.73平方メートル未満糸球体ろ過量(GFR)とは、腎臓の機能を示す値です。
・GFRは、1分間に腎臓でろ過される血液の量を表します。
・GFRが低いほど腎臓の機能が低下していると言えます。
・GFRの値によって、慢性腎臓病の段階が分けられます。
一般的に、以下のようになっています。
・90以上 正常
・60-89 軽度の腎機能低下
・30-59 中等度の腎機能低下
・15-29 高度の腎機能低下
・15未満 末期腎不全
◇慢性腎臓病の原因と症状
慢性腎臓病の原因は、さまざまな病気や生活習慣によって腎臓にダメージが与えられることです。
特に、糖尿病や高血圧は重大な危険因子となります。
糖尿病では、血糖値が高い状態が続くと、腎臓の細かい血管が傷つき、ろ過機能が低下します。
高血圧では、血圧が高い状態が続くと、腎臓の血管が硬くなり、血流が悪くなります。
他にも、脂質異常症、高尿酸血症、肥満、喫煙などが慢性腎臓病の発症や進行に関係しています。
慢性腎臓病の初期には、自覚症状がほとんどありません。
腎臓の機能が低下しても、他の臓器が代償してくれるため、気づかないことが多いのです。
しかし、慢性腎臓病が進行すると、次のような症状が出てきます。
・夜間の尿回数が増える
・浮腫み(顔や手足がむくむ)
・貧血(だるさや息切れ、顔色が悪い)
・倦怠感(体がだるい、疲れやすい)
・食欲不振(食べられない、吐き気がする)
・高血圧(頭痛やめまいがする)
・尿の色や量が変わる(泡尿や血尿、尿量の減少)
・腰痛や腹痛(腎臓の炎症)
◇慢性腎臓病の予防と漢方
●食生活の改善
腎臓に負担をかけないように、塩分やタンパク質の摂取量を適切に調整しましょう。
また、肥満を防ぐために、カロリーの高い食品や間食は控えましょう。
適度な飲酒は問題ありませんが、過度の飲酒は腎臓に悪影響を及ぼす可能性があります。
特に、ビールや日本酒などの発泡酒は尿酸値を上げるので注意が必要です。
●運動習慣
運動は、腎臓の機能を維持するだけでなく、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の予防にもつながります。
運動によって血流が増えると、血管の内皮細胞で一酸化窒素という物質が作られます。
この物質は血管を広げて血圧を下げる働きがあります。
また、心臓や脳の血管にも良い影響を与え、心筋梗塞や脳卒中のリスクを低減します。
運動は、透析治療を受けている人にもおすすめです。
透析治療中の運動の種類や強度は、個人の体力や病状に合わせて、主治医に相談して決めましょう。
●禁煙
喫煙は、腎臓の機能を低下させるだけでなく、動脈硬化や心血管病などの危険因子でもあります。
禁煙は、慢性腎臓病の予防や改善に欠かせません。
●過労をさける
過労も、腎臓に負担をかける原因となります。睡眠不足やストレスは、血圧や血糖値を上昇させることがあります。
十分な睡眠とリラックスする時間を確保しましょう。
●漢方
近年前述の西洋医学的アプローチに加えて、漢方を併用することが多くなりました。
なかでも「末梢血管を拡張する」働きのあるものは、非常にお勧めです。
具体的な漢方薬については、年齢、体質、症状によって違います。
腎臓、透析が気になる方は、漢方相談スガヌマ薬局の漢方薬剤師にお気軽にご相談ください。
よろしくお願いいたします。
*妊娠中のむくみは、腎とは別のホルモンバランスや、妊娠による血液の増加によっても起きます。その場合の漢方もございます。ご相談ください。
(妊娠中の漢方とケアについてはこちら)
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