こんにちは。漢方薬剤師の菅沼真一郎です。
昨年、中国南京研修で学んだ不妊漢方治療を総括する研修会に参加するために琵琶湖へ行ってきました。大変勉強になりました。
中国での講義のまとめの研修と症例発表会がありました。
私も症例を発表しました。
〇発表した症例
・年齢 35歳
・診断 中医診断 月経病 西医診断 女性不妊症
(患者さんの状況)
・FSH 11.29 高い(FSH 8以下が基準 )
・不眠 夜眠れない → 心肝火旺の状態
・DHEA 268 高い(DHEA 250以下が基準)
・インヒビン 77.1 (100以上が基準、100以上だと卵子の成長がいい)
・舌:薄苔、少し歯根がある
・舌質:紅
・脈:弦細(不妊症の方の脈はほとんど弦細なので不妊漢方治療では重視しない)
・主な問題点は眠れていないこと:夜寝れないと陰が作られないので、心肝火旺→これを改善して、インヒビンを上げて、DHEAを下げることが必要。
・生理の状態:だらだら長い。
・生理期:便が少しやわらかい。
(漢方医から患者さんへの説明)
体外受精の前に漢方を使い、準備周期を設けて、一定のレベルまで上げてから体外受精をすると成功率がアップします。
(処方内容)
・生理期 五味調経散
・月経終了後 帰芍地黄湯加減
(生活指導)
※現代医学では、コーヒーやタバコ、ダメと言われているが、夜更かしが一番大きな原因ではないかなと思われる。
→寝ないと心肝火旺になり、「腎水不生」になる。腎水を作ることができない
→卵巣機能が低下して卵子の質が悪くなる
〇研修内容
1.PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)
生理後から排卵までがもっとも大切。
周期療法は、生理周期を7周期にわける。
生理後は経後期という。
経後期は、経後前期、経後中期、経後末期にわけられる。
PCOSの場合、排卵しない時は、今、経後三期の中からどの状態にあるか判断して漢方薬を決定する。
どの期にあるかは、生理からの日数、BBT(基礎体温表)、卵胞の大きさ、E2(エストロゲン)などの検査数値をみて決定する。
基本は排卵させることが大切、経後期の薬を排卵するまで続ける。
2.日本で使われないが中国で使われる検査値
・CA125 (腫瘍マーカー)12以下
・インヒビン (タンパク質)100以上
・DHEA 250以下
3.体外受精(胚移植)失敗繰り返しの原因と対策
〇不妊漢方研修会の感想
研修で感じたことは周期調節法(周期療法)の第一人者の夏先生は、腎の漢方薬以上に心の漢方薬を重視しているという事でした。
心の漢方薬は、心臓というよりは、安心の心、つまり、心の安定が大切ということです。
心が不安になった人には寧心、(ねいしん)安神(あんじん)作用の漢方薬を処方しています。
イライラする人には、そかん)作用のある漢方薬を処方しています。
2014年に中国研修に行った時は,腎と気血の方が心より重要視されていたと思います。
今回は、心の重要性をより感じました。患者さんへの問診も気持ちの状態やストレス、睡眠の質に関する内容が増えていたように思います。
不妊で悩む患者さんは多くのストレスを抱えています。私も患者さんにより添って、心のケアを、カウンセリング、漢方の処方、健康法の中でも多くしていこうと思います。
多くの不妊で悩む方々を一人でも多くご懐妊、ご出産に導く為に、日々研鑽を積み重ねていこうと思います。不妊漢方相談頑張ります。
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